未だにダムを造れば洪水の心配がなくなると、本気で思っている人が存在するようです。
西日本豪雨では、肱川の野村ダムと鹿野川ダムの緊急放流で9名が犠牲になりました。残念ながらダムによる治水は限定的であり、近年の集中豪雨には諸刃の剣になっています。
『2018年7月7日、野村ダム下流部』https://yamba-net.org/55406/
https://www.asahi.com/articles/ASL7T7DCSL7TPTIL04N.html
https://www.asahi.com/articles/ASN8L63K2N83UTIL021.html
https://diamond.jp/articles/-/181534
https://www.fnn.jp/articles/-/5958
https://www.sankei.com/article/20191016-AV7N5MVYQBLR5FEGUMDNAWBCOI/
http://kanumanodamu.lolipop.jp/OtherDams/kinugawaFlood01.html
https://yamba-net.org/gaiyou/kouka/
https://yamba-net.org/problem/meisou/
http://www.yamba.jpn.org/what.htm
日本には既に約3,000基のダムがあります。ダムの無い河川を探し出すのは難しいです。これだけダムを造っても、水害が一向に減らないのに何故ダムを造り続けるのでしょうか。実は政界・財界・官僚の利害が完全に一致しているのです。東電原発の爆発で原発が造れない現在、湯水の如く税金を使える、これほど美味しい公共事業は他に存在しないのです。いわゆる鉄のトライアングル、政・官・財(政府・ 役所・財界)の癒着構造です。
◎政治家は票・金になる
◎官僚は天下り先になる
◎ゼネコンには巨額の建設費が落ちる
本来なら堤防整備・遊水池拡張・河床掘削・流量増強等の地道な作業へ税金を投入すべきですが「政・官・財」にはダムほどの旨みはないのです。八ッ場ダムでは当初2,110億円だった事業費は、2.5倍以上の5,320億円まで膨張しています。
ちなみに新国立競技場の建設費は1,569億円、最新鋭の「イージス艦まや」が1,700億円です。
『ダムの緊急放流』ダム満水直前放水操作
異常洪水時防災操作、ダムへの流入量と放流量を同一にしてダムを守る。
ここに重大な大嘘があります、広大なダム流域面への降水量は実測不可能。ダムには無数の河川が流れ込んでいます、植生状態や土壌の含水量も影響します。放水量はゲートで調節可能ですが流入量は天下りしたお役人の予測に過ぎません。緊急放流はダム保全が目的なので、河川の最大流量を無視して放水するので極めて危険です。
2019年10月の台風19号で那珂川上流の塩原ダムでは、事前放流をしないで緊急放流を強行、後日放流量の方がはるかに多かった事実が判明。因果関係は不明ですが、下流部の水戸市周辺3個所で大洪水が発生したのは記憶に新しい。
ダムを全否定するわけではないが、最低限緊急放流の不要なダムにすべきです。洪水吐きを設置して、満水時に自動的にオーバーフローするダムが何故造れないのか不思議です。
巨大ダムへ限界まで溜め込んで、ドカンと放流すれば水は凶器になります。次の豪雨で八ッ場ダムの緊急放流が心配です。