使用者責任の故障要因 の一部に異論&反論
①混合燃料に無頓着
いつ混合したのか分からないような古い燃料や、入れっぱなしの燃料、DIY店で買った缶入り混合燃料を平気で使う。
②掃除やメンテをしない。
③ボロボロの刃を平気で使う。
④刃を材に当ててからアクセルを開けている。
⑤連続高負荷運転でエンジンがチンチン状態でスイッチオフ。
⑥無用の空ぶかしが多い。
⑦不調になっても完全に動かなくなるまで使い続ける。
⑧調子の良い機体を中途半端にイジリまわす。
⑨熱価の違う点火プラグを使っている。
経験30年以上のベテラン山師に、上記の④刃を材に当ててからアクセルを開けている、がなぜ故障要因になるのか意味不明と言われ説明を求められました。その場で説明したが『全開でアクセスしたら危険だ』と納得しませんでした。
チェンソーはその構造上、材を切るときはアクセル全開で使用する設計になっています。遠心クラッチを使用しているので、エンジン回転が上がらないとクラッチが滑って出力が継がりません。 ハーフアクセルで使うと半クラッチ状態になり、チェンの食い込みが悪くなったり、チェンがストップすることもあります。 このような使用方法を続けると、クラッチドラム、クラッチシューが焼けたり早く摩耗してしまいます。当然ながら、ソーチェン・ガイドバー・リムの摩耗も早くなり、チェンソー本体の寿命も短くなります。
また、材に刃を当ててからアクセルを開けている人のチェンソーは、例外なくマフラーが潰れています。これはプルインで前面を材に衝突させた動かぬ証拠です。
もう一つ重要なことですが、キックバックはソーチェンが高速回転時よりも、中低速回転時の方が発生しやすくなります。木を切断中にアクセルを緩めるのは危険な使い方です、切断中はフルアクセルで、切り終わったら素早くアイドリングにするということになります。
カービングの例外
唯一の例外がカービングバーの先端で細かい彫刻をする時です。微妙なアクセルワークが必要になり、ハーフスロットルも使います。
この場合はチェンソーに殆んど負荷が掛かっていないので問題ありません。
ブラッシング等、ほぼ無負荷状態でのアクセル全開作業はエンジン過熱を招き易いので、アイドリングを挟んでエンジンを冷やしながら行うのが鉄則です。
チェンソーはフルアクセルでチェンスピードを最大に上げて使うのが“正しい使い方”なので、エンジンの最大トルクが重要になります。「フルアクセルで切り始める」ので、アイドリング状態から瞬時に最高回転まで吹け上がる瞬発力も重要です。
当然ですがアクセル全開で木に刃を当てて切り始めると、回転数は落ちて最大トルク近辺で切ることになります。では何故、同じ仕組みの刈払機は低回転でサラサラ使うのを推奨されるのか・・・答えは簡単、刃に掛かる負荷が比較にならないほど小さいからです。
陸上競技に例えるなら、チェンソーは瞬発力の100m・刈払機は持久力のマラソンでしょうか。
9日に使った357xp、軽く洗浄して各部点検。刃を研磨してスタンバイOK。